D8 シアーズジャパン、文化事業部、秘書室 前田洋子 (撮影日:2025/06/17)

アメリカ帰国子女で日本の大学休学中に、新聞広告のシアーズ日本の社員募集に応募した前田洋子氏は1973年渋谷パルコ開業直後に西武入社当時渋谷パルコ5階ワンフロア展開していたシアーズの受付業務に従事。顧客の発注伝票を日々池袋からテレックスでアメリカに送り、国内入荷後宅送する仕組だった。1年後にシカゴシアーズタワー落成時、堤清二夫妻の渡米に随行し帰国後は文化事業部に籍を置く。次にトロントプリンス開業で操夫人出張の際の随行員になりカナダ出張。以後操夫人担当となる。当時の文化事業部は安部公房氏、槙文彦氏、菊竹清則氏、磯崎新氏、武満徹氏、一柳慧氏、大岡信氏、谷川俊太郎氏、宇佐美 圭司氏、荒川修作氏、岡本太郎氏等錚々たる文化人が、堤氏の窓口だった紀国役員を訪ねてきた。ジョンケージ、武満徹氏との軽井沢出張、実業界と文化人が集う年末ハーティ等思い出深い。現代美術、現代音楽、現代映画は百貨店マダムに受けなかったが、堤会長は信念をもって継続し次第に若いファンが増え、新井氏と邦子役員が取り組んだシネヴィヴァンの欧州アート映画や、彫刻家アルマンやヨゼフボイスのライブイベントには若い現代美術ファンが詰めかけ、堤氏の熱意と財力が日本文化を変えた。