D14 セゾン美術館アソシエイトキュレーター、佐賀町エギジビット・スペース、コピーライター 小池一子 (撮影日:2025/06/26)

小池一子氏は西武のロゴを作った草刈順氏のJKストゥディオでコピーライティングの仕事を始め、知り合いの田中一光氏を堤清二氏に紹介し、堤氏と田中氏はすぐに意気投合、西武のデザイン事業が活性化していく。
渋谷店出店時に脱重厚長大の売場としてペーパーライゼーションという意味でカミカ(紙化)という言葉を出し、田中氏がロゴ化した。
無印良品は青山の田中事務所で石油ショック後の暮らしの議論で脱過剰装飾の必要なものを安く提供する市民運動のようなアイディアを堤氏が出し、各競合がPBを出す中、現場商品部の素材重視や無駄の排除提案等を深めていった。店内空間は杉本貴志氏がコンセプトを具現化する内外装を作り、ファッションコンシャスな青山に第一号店を出し、注目を集める。三宅一生氏はこれを「昔からあったごとく」という名言で表した。山田太一氏にも勇気づけられた。
SNOOPY IN FASHIONでは世界のトップファッションデザイナーが協力している。セゾン美術館のアソシエイトキュレーターとしてはロンドンで観たアンゼルム・キーファーを日本に紹介すべく自身の監修する佐賀町エキジビット・スペースとセゾン美術館の両館で展開した。
「同時代の証言」を重視する堤氏によって、デザインの田中一光、演劇の安部公房、音楽の武満徹など多くの戦後日本の才能が開花していったのがセゾン文化の中核だったと思う。