東京プリンスホテル地下1階の西武ピサは、島津貴子様の就職先でもあり、堤会長の母上で、歌人大伴道子でもあった堤操夫人の指導の下、エルメスなど一流ブランドの中でも特に選ばれた逸品が揃い、各界のトップの方々が顧客だった。会長の妹、欧州駐在部の堤邦子部長が直輸入し、パリ本店と西武ピサだけオートクチュールにも対応できたサンローラン等の上質ブランドや文化性の高いアートも充実。各種のイベントやパーティなど顧客のハイライフスタイルの場も同時に提供した。ここは同時に日本で初めてアートオークションを行う、西武が導入したサザビージャパンの本拠地でもあった。操夫人は八ヶ岳高原ロッジでのサロンコンサートや野の花も愛し、毎年毎年、花の写真と折々の歌を載せたフラワーダイヤリーを制作し、別荘顧客に配っていた。以下は当時西武ピサが発信した、サンローランオートクチュールサロンのご案内です。
イヴ・サンローラン オートクチュール 西武ピサにサロンを移設。-バリの展開をそのままに再現-
日本では唯一の独立したオートクチュールサロンとして、西武百貨店渋谷店で展開してきたサンローランオートクチュールは、このほど西武ピサ・東京プリンス店にサロンを移設。装いも新たに西武ピサで本格的な営業を開始いたしました。これは、世界最高峰のオートクチュールデザイナーと評されるイヴ・サンローラン、その芸術品ともいわれる格調高い作品を正しく紹介するにふさわしいプレステージストアとして、西武流通グループの高級専門店である西武ビサヘの移設となったものです。
●西武が導入して17年,変わらぬ高い人気
イヴ・サンローランは、パリの25のオートクチュールメゾンの中でも、今や第一人者とのゆるぎない評価を得、世界のファッションリーダーとして活躍しています。日本では西武がいち早く彼の才能に着目し、彼がディオール店から独立した翌年(1962年)に,オートクチュールの契約を交わしました。パリの本格的オートクチュールを日本で紹介したことは、当時のわが国のファッション界に大きな刺激を与え、西武のファッションに対する見識の豊かさを示しました。そして現在でも、サンローランオートクチュールは、いつも変わらぬ高い人気に支えられています。
●サンローランオートクチュールと西武との歴史
1936年 8月1日,サンローラン,アルジェリアに生まれる
1961年 ピエール・ベルジニ(サンローランピジネスのマネージャー)と組み、パリでオートクチュールを開設
1962年 独立して初のコレクションを発表。西武と契約
1963年 西武池袋店にサンローランオートクチュール発足
1968年 西武渋谷店開店と同時にサロンを渋谷店に移設
1974年 サンローラン、パリのサロンをアベニュー・マルソーに移転
1975年 サンローラン来日。高輪プリンスホテルにてデモンストレージョンショーおよび東京プリンスホテルにおいてオートクチュールでは初の一般公開チャリティショ一をそれぞれ開催
1980年 西武ピサ(東京プリンス店)にサンローランオートクチュールサロン移設
品格ある内装で,パリのサロンを再現
さて、西武ピサのサンローランオートクチュールサロンは、お客さまのコミュニティの場として、パリのサロンの雰囲気を再現しました。ゆったりとしたスペースのサロン、フィッティングルームはもちろん、ソフアや荷子、そしてサクラ素材を基調としたインテリアまで、サンローランが好むクラシックな内装にモダンな感覚を生かしています。また技術面では、毎ジーズンごとにパリのオートクチュールのアトリエにフィッターを派遣し、最高の技術を修得しています。オーダーシステムもVIP顧客については個人トルソーを作るなど、より正確にスピーディーな作業を進めます。このほか、顧客との応待・会話・マナーなどの面においても,訓練された社員が誠意あるサービスにつとめ、サンローランオートクチュールという最高級品を扱う店として西武ピサはこれにふさわしい体勢を整えています。