1964年に「感謝と奉仕」という働く喜びを社是とした西武に同期52人と入社した小山周三氏は、不動産部を皮切りに「流通産業革命」著者の佐藤肇先生を所長に、開かれたシンクタンク、流通産業研究所に四半世紀勤め、堤会長、高丘季昭氏、上野光平氏らの薫陶を受けた。後に東京大学での堤清二氏の講義をまとめ「変革の透視図」も完成この二冊は小売産業論の古典となった。当時席巻していた製造業対小売業の構図に異を唱えた堤氏は、「生活者の論理と産業の論理」を重視。働く気持ちをそぐ権威主義を嫌い、一人ひとりが輝く働き方をもとめ、ヒトのネットワークも大切にしていた。セゾンのDNAはこれからの時代にこそ重要になるもので、グループ崩壊直前に「セゾンの歴史」として書籍化された。今の時代こそセゾンの精神や働き方の再構築が必要だろう。
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セゾン総合研究所
小山周三
(撮影日:2025/04/18)