1977年入社の菊池壮一氏は75年に池袋店11階にできたばかりの書籍売り場リブロに配属された。当時リブロは新参自営書店で、新刊や雑誌、漫画があまり入らず、人文書や美術書、さらに詩の専門コーナーぽえむぱろうるや、後に演劇書コーナーのワイズフール等ここにしかない売場が多かった。社長の小川道明氏はファッションの三島彰氏同様、堤会長の元の活動家仲間で、売場には安東 仁兵衛氏や安部公房氏等も良く来ていた。出版社リブロポートでは美術書や流通産業研究所や商品科学研究所の定期刊行物やマニアックな書籍等800冊以上を出版。武満徹氏等音楽イベントも実施し、アフリカ等ワールドミュージックイベントも開催。リブロは西武西友店内他80以上出店した。読書家の堤会長は書評を常にチェックしていた。池上彰氏は常連客で、今の時代をリブロの棚から読んでいた。今も個性ある個人経営の書店は生まれていて、自費出版のZINEや自前電子書籍等、文化の担い手としての書籍は今後も大切だ。
C10
リブロ、書籍売り場、リブロポート
菊池壮一
(撮影日:2025/05/26)