D2 本部営業政策部 経済同友会 稗方一司 (撮影日:2025/06/05)

87年に文化事業部を志し京大工学部からオーダーエントリー制度で西武に入社した稗方氏はコミカレを経て89年から本部で営業政策に携わる。92年以後も顧客や販促企画業務に携わるが、次第に西武とセゾンの関係が離れる中、セゾングループ秘書室北尾氏に誘われ、当時堤氏が副代表幹事だった経済同友会に出向し、95年から97年の間に佐々木毅東大元総長らを招いた政治情勢委員会、政治委員会という2つの委員会活動で二つの提言をまとめた。これらは「透明で民主的な政策決定システムのあり方」「経済界と政治の新たな関係のあり方」であり、政治と金の関係、一票の格差等、今の時代も未解決の問題に切込むものだった。これは左派、右派双方の画一化社会や形式的な民主主義を嫌う、堤清二氏らしい内容だった。時の首相批判や消費増税肯定
もした。市場原理主義の強い同友会の経営者層には一定の影響はあったが、日本の未来を憂う思いは、当時に十分理解されなかった。
稗方一司